Friday, February 12, 2010

心を残して放棄する

ジャン・ジュネの「花のノートルダム」を読みました。
電車の中だけで読んでたのもあって、読み切るのにちょっと時間がかかった。堀口大学が訳したもので、古本屋で入手した古い物。
ジュネが獄中でコソコソ書いた処女作で、お世辞にも読みやすいとは言えない。あるエピソードの中で、何かを説明するために違うエピソードが差し込まれて、それがとっても長かったりする。
最初はイマイチつかみどころがなくて、何度も戻って読みなおしたりしたんだけど、これはどんどん読み進めればいいんだと気づいてからは「アレ?」とか思ってもそのまま突き進んだ。
堀口大学も「詩のつもりで読んで、詩のつもりで訳した」と、あとがきで書いていた通り、そのまま感じるままに読めばいいんだと思う。
要するに、ジュネ自身の事が書いてある。

いま私は、この夢想を、放棄しました。でも私は満足です。フランス一周競争(自転車)の選手が、放棄するように、私は心を残して放棄したのです。

というくだりがあって、思わず付箋紙を張った。ツール・ド・フランスが引き合いに出されていたのに反応してしまった。『心を残して放棄する』ってのはうまく言ったものだと思う。
こんな調子で、ちょっと美しかったり、かっちょ良かったりする言葉で埋め尽くされていた。

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